三谷は自転車にハマっていた。
初めは小径車だった。小径車はオッサンを狂わす何かがある。
ビアンキの小径車に改造が止まらない。サンプレ、ユーレー、TA、オールドカンパ。。
ビンテージは奥が深い。走るより、いじる方にエネルギをつぎ込むのだった。
いじり倒したころ、同じビアンキのクロスバイクが目に留まる。
小径では無理な道、特に鴨川ダートを走りたかった三谷は、この白い花模様のバイクが気になった。
徹底的に調べて購入。
鴨川ダートは面白い。タイヤもだんだん大きく太くなっていく。
そのうち体力がついて(痩せて!)遠くまで走れるようになる。50kmは無理な距離でも無くなってくる。
今度はだんだんタイヤが細くなっていった。
そのころミネクラは、自転車購入の話を何気に三谷に持ちかける。
最近の自転車の良さ、進化を知っていた三谷はまともな自転車を買うことを提案する。
初め自転車に大金を投入することに逡巡していたミネ倉もBruno venturaの試乗にいたって理性が瓦解。購入に至る。
ハセガーと龍ちゃんを巻き込んでいくのに、そう時間はかからないだろう。三谷は思った。